(画像は10年前です)
今日はみなさまに、大切な大切なオシラセがあります。
結論から申します。
この度、ポンプ小屋を閉店し、古川博行をはじめ、ポンプチーム5名が退職する事になりました。
VERT DE GRISを大切に想っていただいている皆さまには、とてもショックな内容であり、とても悲しい想いをさせてしまう事になった事、本当に本当に申し訳なく思います。
私と古川がその結論に至った事は、スタッフ全員を悲しませ、困惑させました。
なので、スタッフが話さなくていいように、それに至ったまでの経緯を、私の言葉で皆さまにお伝えしたく、ブログを書かせていただきました。
少し長くなりますが、読んでいただけたら嬉しいです。
VERT DE GRISの始まりは、私と相方の古川博行が出逢った事から始まります。
古川と夢見たのは18年前
同じ年の私たちは24歳の時同じ花屋で出逢い、同じ夢を描き、よき同僚、よきライバルとして、夢に向かって邁進し、独立を胸に、同じ時期に修行させていただいた花屋を卒業しました。
その後6年間
古川はカフェを経営するべく調理の勉強へ
私は1人でVERT DE GRISを立ち上げグリトラックで移動販売しながらアトリエでレッスンを始めました。
6年後2人で合流し、同じ船にのって夢をカタチにし、実店舗として作ったのが、今のVERT DE GRISポンプ小屋です。
それが10年前。
10年間、私たちの船には、色んなスタッフを迎え入れ、いろんな事がおき、笑あり涙あり楽しくすごして参りました。
増えたのはスタッフだけではありません。
VERT DE GRISは、店舗型レッスンルーム付きアトリエとしてラボができ、梅田店ができ、それを移転させ、北堀江店ができ、中津店ができ、今現在は4店舗となっています。
お店と共に私と古川も10年で成長し、経営者気質の2人の志も、向かう方向も少しずつずれていったように思います。
特に、スタッフの育て方、生花店としての在り方で食い違う事が多数あり、それが経営の違いにまで発展していきました。
どちらが正解かなんてなく、この6年ほどは模索模索の日々でした。
もしも私と古川が夫婦でなければ、もう少し話は簡単だったのかもしれません。
VERT DE GRISは、体は1つ、頭が2つあるようなイメージです。
事業を創めて、ヒヨコだったころは何も思わなかった2人が、自我が目覚め、お互いのやりたい事が明確になる感じに近い。
左に行きたくても、もう1人が右に行きたければ、身動きが取れない感じに近い。
このままではお互いのいいところを伸ばす事ができないと思い、去年10月より、思い切って2トップ体制から、それぞれの1トップ体制とするべく、VERT DE GRISは体を2つに分ける手術を施しました。
それぞれ1トップ体制とし、スタッフを分け、仕入れから売り上げ、経理関係もすべて分け、半年間それぞれの事業はノータッチで経営してきました。
別店舗経営とするべく
ポンプ小屋と、北堀江店を古川が
ラボと中津店を私が
思い返すと、それまでのVERT DE GRISは、わがままな私の1トップ体制を、古川が我慢し支え、10年間、私の行きたい道に行かせてくれていたように思います。
私はココロから言える。
10年間色々な事がありましたが、本当に楽しかった。
古川はそうではない。
それがすべてであり、無理をしてでも離れる事が、2人にとって、VERT DE GRISにとって1番最善でした。
なので、このまま何もなく、お互いの経営が順調にいけば
実は、今年の10月には別会社として、いい意味で離れ、古川率いるポンプチームはVERT DE GRISから独立し、古川とはお互い、同じ立ち位置の経営者として、楽しくやっていける事を夢みておりました。
その渦中の中、「カフェ」という飲食店をぎりぎりで回していたポンプ小屋の経営は、今回のコロナウイルスの影響で、大打撃を受け、大阪でのレッスンを自粛せざるを得ない状況と重なり、古川の経営するポンプ小屋と北堀江店が経営破綻します。
私が気づいた時にはもう遅かった。
もちろん、株式会社VERT DE GRISとして経営破綻したわけではありません。
余裕があるわけではありませんが、社長の私としては、お店もスタッフもすべて守れる体制を整えました。
船底に穴をあいてしまった船から、こっちの船に乗ってほしかった。
ただ、その上で古川がVERT DE GRISの船を降りる意思を示します。
幾度となく話し合い、30回以上(しつこい・苦笑)私の船にのってほしいとお願いしましたが、古川の意志は固く、古川の元で10年近くがんばってくれた、ポンプ小屋カフェ店長の工藤も、古川と同じ時期に退職する運びとなりました。
これまた、工藤もめちゃくちゃ引き止めましたが、古川のいないVERT DE GRISのカフェを背負う事の難しさは目に見えており、私の今の力量では、工藤に学びの場を与えてやることも出来ず、2人の退職が決まります。
店長工藤の退職が決まった時点で、ポンプチームの解散は必然でした。
ポンプチーム
古川(グリオ)
工藤(アヤコ)
野口(ノグ)
峠(トゲ)
増田(カイコ)
以上5名が6月末日をもって、株式会社VERT DE GRISを自主退職致します。
それに伴い
皆さまに愛していただいたVERT DE GRIS ポンプ小屋を
6月29日をもちまして、一旦閉店させていただきます。
いいお店、ステキなお店
というものは、本当に継続が難しい。
美味しいものを、ステキなお花を、なるべく安く、心地よい接客で
美味しいものを作り出すには、それだけ品質にこだわった材料と手間暇を
ステキなお花を生み出すには、かなりの練習を
なるべく安く提供するには、綿密な仕入れを
心地よい接客にするには、かなりの人件費を
求められる
ハッキリ言って、最初の投資さえ惜しまなければ、ステキなお店を作ることは簡単にできる思います。
何が難しいか。
継続する事
それが本当に難しい。
10年の歳月の中、料理も花も空間も
すべてにおいてお客様の期待に応えるには、自分自身を更新してレベルをあげていくしかなく、成長を止める事は許されない。
1人でやっているお店は別ですが。
チームとなると、本当に止まる事は許されない。
それはスタッフのお給料が上がることはない。と言い切るのといっしょだから。
応援してくださったみなさま
ポンプ小屋を愛してくださったみなさま
残念な結果となり、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
悲しい想いをさせてしまって本当に申し訳ありません。
すべて私の至らなさから起こったことであり、全責任は私にあります。
みなさま、本当に本当に申し訳ございません。
私と古川は、18年前から性格や考え方が太陽と月のようであり、
お互い持っていないところに惹かれ、
太陽のように熱したくても、月のようにキレイに輝きたくても、
お互いできないもどかしさで、
お互い傷つけあい、周りを振り回し、今に至ったように想います。
古川が「私の船に乗れない」という気持ちも痛いくらいわかる。
だって、私が古川の船に乗れないから。
2人とも船長になりたくて、自分が船長だと思って10年やってきたのだから。
古川は、1人での退職を望みました。
私も古川以外を迎え入れる体制も整えました。
でもポンプチーム全員
私の船に乗らない決断をします。
自分たちの船長が、私の船に乗らないのに、クルーだけで乗り込めない気持ちも痛いほどわかる。
想いがこみ上げて、涙で目がかすみ、PCの画面が見えなくなってきました(苦笑)
ごめんなさい
古川がこの機会に私と離れ、VERT DE GRISの船を降りる事により、古川を含め、ポンプチームの4人も、人生のくぎりで、少しだけ休憩し、新しい世界に出発する予定です。
こんなご時世ですが
いつかいつか
古川1人の力で、もう1度ポンプチームを再結成できたらどんなにいいだろう。
本当に本当にそう想う。
6月29日まで、ポンプチームも精一杯がんばります。
私の大切なパートナーと、娘たち。
色々ありましたが、今は感謝しかありません。
5人の事を、温かい目で見守ってやってくれたら嬉しいです。
どうやってみなさまに伝えていいかわからず、考えて考えて、結局自分の言葉で、ブログ書かせていただきました。
古川の想うところは別のところにあるかもしれませんが、私としては、精一杯言葉にさせていただきました。
私、古川さやかは、相方古川博行と共に歩んだVERT DE GRISの10年に終止符を打ち、
株式会社VERT DE GRISを新たな10年としてスタートさせます。
私の船に乗って、私を支えてくれるスタッフは7人。
石橋(チコ)
平田(サナエ)
松本(モエ)
五十嵐(シュン)
杉山(サエ)
清水(ワカコ)
八木(ヤギちゃん)
私を含め8人で絆固く、この荒波の海を航海していきます。
私の船に乗った彼女たちには後悔させません。
私が必ず守る
北堀江キャトルまで、今のメンバーでは手が回らないので
北堀江店は手放します。
ポンプ小屋はしばらくお休みさせ、準備が整ったら、私が新しいカタチで必ず復活させます。
それまで、少しだけ時間をください。
ラボチームが
私に言ってくれた言葉に
「お客様も、スタッフの私たちも、VERT DE GRISに対する想いは、1つの花カフェに向けられるもの以上で、だからその分、この結果は、お客様にも私たちにも悲しい想いをさせてしまうと思う。
でも、きっと先生はその悲しみを消す、それ以上の魅力を、価値を、お客様にも、私たちにもくれるとおもっています。
先生はこれからも、お客様もスタッフも、ステキな場所へ導いてくれる確信がある。
だから、お客様の悲しい気持ちを受け止められるように努めます!!!」
と
私に言ってくれた。
私は本当に幸せものです。
私がやるべきことは1つ
VERT DE GRISを存続させること。
それが私の生き方であり、私の守るべきもの。
今までの自分と、これからの自分を信じて前へ進みます。
このようなカタチになりましたが、
これからの10年も
温かい目で応援していただけたら嬉しいです。
長いブログ読んでいただいてありがとうございました。
株式会社VERT DE GRIS
代表取締役 古川さやか
追伸、 6月のポンプ小屋は、最後に予約制の渾身のランチを復活させたいと思っています。予約は15日金曜日より、ポンプ小屋の電話のみで受付させていただきたいと思っていますので、しばしお待ちください。詳細は改めて!!!
(涙で目がかすんで、今日はもうかけへん・苦笑涙)
古川がココロから楽しいと思える未来になりますように